人類にとっての大きな課題は老化現象であろう.いくら日々の生活でビタミン剤などのサプリメント摂取し,健康に気を配っても,老化は訪れてくる.

しかし,近年,老化現象を抑える仕組みがいくつか分かってきた.体内のメーラード(翻訳語修飾)反応を抑えることも考えられているが,ビタミン関与でNMNが注目されている.

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)はビタミンB3(ニコチンアミド)から誘導される物質で,補酵素となるNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の前駆体である.

そもそもビタミン自体は生体内で機能する物質ではない.体内で代謝されて活性型ビタミン(補酵素)となり,タンパク質と一体化して機能する酵素になる.

では,活性型ビタミンを直接摂取すればよいのでは?と考えがちだが,残念ながら,活性型ビタミンは,生体のもつ細胞の中には直接入れないのである.ビタミンという前駆体でないと取り込めない.

NMNの働きに関しては,その研究がスタートしたところである.希望をもてる抗老化作用をもつので,更なる研究が必要である.




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